”こうあるべき”と決めつけるのではなく、選択肢を与える


DSC_0371-1

絆は、しなやかなものなのだ。
切ったり結んだりできる。そして、絆は一本ではない。一生の中で、誰とどんな絆を何本結ぶかは、その人次第だ。
記者はつらいよ―中央新聞坂巻班 (ハルキ文庫)』(仙川環 著/角川春樹事務所)より

■主人公は新聞社の企画班
この小説は主人公“真面目だけが取り柄の平均点記者・上原千穂”が、奮闘しながら、記者としての自分を殻を破っていく奮闘記。これでシリーズ3作目です。作者の仙川環さんも新聞社勤務の経験があるそうで、臨場感があり、テンポ良く読み進められる作品です。
さて、主人公の上原千穂は、晴れて新聞社の顔ともいうべき1面記事連載の企画班に抜擢され、“一億総孤独”をテーマにした連載のために取材を重ねていきます。これはこの企画班のキャップが、独断的に選んだものでしたが、主人公他、企画班のメンバーはこのテーマの連載のために思考錯誤しながら取材を重ねていきます。取材先では、一見“強い絆がある家族”がいくつか登場してきます。しかし取材を進めていくうちに、千穂は“幸せであろうと必死に努めている様子”を感じ、違和感を覚えたのでした。

■様々な選択肢を提示するのが“企画”本来の狙い
取材した内容をもとに、主人公・上原千穂は、絶対的な善と受け止められている“絆”というものについて、掘り下げて考えを巡らせて行きます。取材対象の家族たちも、徐々に“素の姿”を明らかにしていきます。「今のままでは行けないのはわかっているけれど、この先どうしら…」と不安を抱えている言葉をポロリ。それをうけて”こうでなければならない”という決めつけではなく、この企画を通して選択肢を示し「地図は描けても、航路は描かない。どこへ向かうかは、人によって違う」という記者としてのスタンスを見出します。“一億総孤独”の企画班長の命題に従い、“絆”の本質について、彼女なりのとらえ方を探ったのが上の引用部分です。

■しなやかな絆
「しなやかな絆」とは、主人公が定義づけた絆の本質。絆とは何かと聞かれたら、様々な解釈が寄せれるのではと思います。かけがえのないものであると同時に、束縛やしがらみになってしまうものでもいけない。状況にあわせて思い合う気持ちを形にしていくのが“絆”のように今は感じています。今日は全5章のうち前半部分を扱ってみました。後半部分を読み進めつつ、引き続き考えてみたいと思います。そして、物語の場合は、”もしもこれを実写化するなら、どんな俳優・女優を起用しようかなぁ~”などと、配役を思いながら読むのが私は好き。そういう意味でも物語の世界に浸れる一冊でした。

★ぷち日記
今日は3連休中に開催される新春恒例イベントの準備に加え、今年最初のチラシ制作を進行の一日。昼休みには予約していた歯医者さんに行ったり、昼食がてらプランニングをしたり、夕方からは三味線の初稽古に行ったりしました。三味線は新たらしく譜面をいただいた「あいや節」も、お正月中に念入りに練習したこともあり、出だしはまずまずだったような…。中旬には地元の福祉施設の新年会での演奏が決まっているので、コンディションを整えて頑張りたいと思います。


返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。