”感情”に寄り添う。プロセスをあえて選ぶという時もある。


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「だからね、こんな女でも行ってにぎやかになればいいかなって。どっかがすごく痛いときってさ、もう『痛い!』しか考えられないじゃん。タケオさんも、いまのつらさが少しでもよくなれば、美紀さん問題について考える気力が出てくるかもしれない。あたしたちの役目は、痛みの原因を取り除くことじゃなくて、痛みを楽にしてあげることなの」
独りの時間をご一緒します。 (宝島社文庫)』(沢木まひろ 著)より

■主人公は先が見えない若者
恐らくこの表紙のイラストがこの本の主人公であろう。「伴い屋」とは、いささか怪しい商売をモチーフにして展開されているなぁ~と、興味本位で選んだ1冊でした。主人公の「葉山遊」は、「時には日常から離れ、人生を楽しむ余裕を持てる人間になってほしい」という願いを込めて両親から「遊」という名前を付けてもらったものの、現実には父親のリストラのせいで進学を断念し、家計を支えるために努めた会社も倒産したり…と、不運な人生を送っていました。もうどうにでもなれ~と、もっていたところで、“伴い屋”スカウトマン神倉に声をかけられます。怪しい商売だ…と思いながらも現金欲しさで“伴い屋”を引き受けていくのでした。

■”伴い屋”は、孤独を抱える人々の傍らにひととき寄り添う
「あなたには資質がある」これは、最高の口説き文句(笑)。“伴い屋”は依頼者が心の平安を得られるまでそばにとどまることが基本と、神倉が説明します。怪しい香りがぷんぷんしてきますが、誰にも話せない話を誰かに聞いて欲しい、そんな依頼者は、決して実社会でもあり得る孤独をよく描いていると思いました。そんな孤独を抱えた人たちの「心の平安を得られるまで寄り添う」のが、“伴い屋”の仕事です。

■階段を1段1段登るように、あえてプロセスを踏む
それほど、伴い屋の実績がない遊は、依頼先で成功もあれば失敗もしていきながら、人の思いを受け止めるということを学んでいきます。引用部分は、娘の結婚話をきっかけに、親子関係が破たんし娘と断絶状態にあるというご夫婦の先へ、先輩のリリと出向いた場面での会話。娘さんが家を出て行ってから、ご婦人はそのショックから認知症になり、旦那さんは仕事を辞めて介護をしている…という暮らしのお宅でした。遊が「娘さんの居場所を突き止めて、現状を連絡することがこの家族にとっての解決では?」と、先輩のリリに意見したところ、“伴い屋”としての役目をあげて、一足飛びではなく、相手の気持ちを和らげながら、“自らの思い”で行動できるようにサポートすることが肝心と説きます。これは小説なのでフィクションであり、時と場合にもよりますが、 “結論付けず、あえてプロセスを選ぶ”という選択も時には必要だと感じる部分でした。そこには“感情”がある…広い懐を持ち合わせていたいものです。

★ぷち日記
あれれ、花粉症が始まった!?午後に出かけた後から、鼻水が止まらないです。今日は、また三味線のお稽古の日だったのですが、三味線を弾いている時に鼻水が…で、集中力に欠けました(汗)。帰宅してからは、昨日開催の主催イベントで作った「甘酒を使ったプリンと蒸しパン」について、得意げに家族に話しまくってみました。私でもきっと!売り物のような美味しいスイーツが出来るはず!もう一度作ってみよう。


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